塗仏の宴−宴の支度

塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)
シリーズ第6作。「始末」と前後編になってるので、そんなに厚くないです。

非常にマニアックな妖怪を主題にした6編の短編からなっています。全部をまとめようとしたら、物凄く複雑な話になってしまうので良い構成だと思います。・・・ただ・・・、関君がどんどん壊れていく様子が見るに(読むにか)堪えません(涙)

ぬっぺっぽう

みちゅやすさんの「ぺろりと顔をなでる」しぐさが微妙に怖い。めい公の父は「貉」の話が好きなんです。で、小さい頃、夜寝る前に「何かお話してー」って言うと必ず「貉」を話してくれたんです。これが上手いのなんのってもう・・・トラウマです。

<うわん>

狂骨で人気のあったと思われる朱美さん再登場。相変わらずきっぷのいい姐さん振りでイイです。

<ひょうすべ>

この話が「支度」の中では一番ミステリ的に完成してて好きです。鉄道唱歌ってどういうのだろう。ちょっと聞いてみたい。鳥口君が出てくると場が和むというか、ちょっと明るくなるから好き。

<わいら>

この話を読むまで、敦っちゃんって完璧すぎて面白味がないなぁ、という印象だったんだけど、まさにそこが彼女の抱えてるコンプレックスなんだと知ってしみじみしちゃいました。京極先生の作る登場人物ってみんな心のどこかに妖怪を呼んじゃう何かを抱えているみたいです。

<しょうけら>

京極堂木場修の問答がいい。「覗かれてる方が、実は覗いてる」っていう構成がいい。

<おとろし>

「絡新婦」のあの人、再登場。しかし、あっさり殺される。凄く残念です。私は、この人の思考がいまいち読めなくて、理解に苦しむ部分があるので、もっとこの人の一人称が読みたかったな。







<名言集>

「こら。お前さん家にゃあ、常時全国の社寺のお札が揃ってるのか?何なんだこの家はよ。手前はいってえ何者だ。」木場修太郎

まさに名言・・・。そこ、もっと突っ込んで木場修