霧越邸殺人事件

霧越邸殺人事件 (ノン・ノベル)
館シリーズ番外編とも言うべき一作。
かなり重量級ですが、量子力学不確定性原理の説明とか、まあまあ面白く読めるし、京極堂ほど長い薀蓄も出てこない(笑)

本書を館シリーズ番外編と捉えたのは、館シリーズで出てきた世界と同じ世界にある話だからです。例えば、迷路館で出てくる登場人物が昔所属してた劇団とか、水車館で出てきた画家と苗字が一緒の画家の絵が飾られてたり・・・。館シリーズ好きなら、「あ、これ○○館に出てきてた!」という発見をして楽しめます。

実は、そういうところ以外は、館シリーズらしさは無いです。叙述トリックではないし、綾辻の《幻想的な良さ》が多めに出ているので、人によっては納得がいかないかと思う。でも、幻想的な部分を読者が信じるか否かではなく、「登場人物は信じてしまった」のだというところで勘弁してやってください(^^;