大密室



密室をテーマにした話が7作、7人のミステリー作家が競作しています。


面白いなーと思ったのは、北森鴻「不帰屋」かな。出てくる登場人物が魅力的で、シリーズがあるようなのでもっと読みたくなりました。ミステリーと民俗学をからめているのも、興味深く読めて、とてもいい!


えーそれはちょっと・・・!って思ってしまったのは、貫井徳郎「ミハスの落日」かなぁ。密室になった理由があまりにも偶然がそろいすぎてるような・・・でもそれさえも「神の意思」なのだと物語の中ではまとめているから、確かにここまでの偶然は普通じゃありえないしなーとか思って、逆に説得力あったりして。
ただ、私は新婚旅行でスペインに行っていて、このミハスでも観光&1泊してるし(白い村として有名)作中に出てくるバルセロナも行っててガウディの建築物とか公園とかよく覚えてたから、そういう意味で面白かったな。


他に面白かったのは「使用中」法月綸太郎。犯人も早々に読者に提示されるし、殺害方法も分かってて、謎らしい謎がないにも関わらず、ちゃんと密室殺人(結果的に)になってるところが面白い。


ラストがちょっとスリリングなのは「ある映画の記憶」恩田陸。こういう終わり方、好きです。密室といっても鍵がかかってたりするわけじゃないので、そのへんはざっくりしてましたが。。。