「99%の誘拐」

99%の誘拐 (講談社文庫)
岡嶋二人作。この人の(というかこのコンビの)本を読むのは、初めてだったけど、まあまあ面白く読めました。


きっかけは、いろいろな作家さんに影響を与えているらしいということで読んでみたのです(宮部みゆきとかも岡嶋二人のファンだったとか)


あらすじはあまり細かく書くと、かえって興ざめなので書きませんけど、まあ偽装誘拐の話ね。


主人公の慎吾の頭のよさ、用意周到さに驚き、次はどういう仕掛けが待ってるんだろう・・・とわくわくしながら読みました。読みながら、慎吾に感情移入しちゃって、犯罪なのに、うまくいくように祈っちゃう感じ。警察め〜、邪魔すんな!みたいに思ったところも(笑)←特に、スキー場のシーン。


やっぱり、誰か死ぬような犯罪だと、そこまでは思わないんだけど、そういう意味では安全な犯罪がものすごいトリックで進行しているので、ちゃんと成功するところが見たくなる。


文章が、とても淡々としていて、出てくる人たちに感情の高まりとかが感じられないんだけど、それは短所というより、この作品の個性として認めるべきものなのかな。それとも、岡嶋二人の文章って、こういう無機質なのが多いんでしょうか。
岡嶋二人名義の作品を他に読んでいないので、ちょっと分かりませんが。
気が向いたら、他のも読んでみます。