「模倣犯」

模倣犯1 (新潮文庫)
宮部の「模倣犯」を文庫で読みました。↑のリンクは1巻ですが、文庫だと全5巻です。長いようで、あっという間に読めます。話の筋がぐいぐい引き込まれるような力を持っているからかな、と思います。


まず、「模倣犯」は映画化もされていて(評判悪いけど)有名だけど、私は映画も本も全然見たことなくて、前知識が無かったのです。


で、私のイメージで言うと、「ピース」(犯人)ってすごく頭のいい奴なんだろうな、と思ってたのね。事件の筋書きはピースが握っているのは勿論、1、2巻(の最初の方)を読んだ段階では、ヒロミとカズが自動車事故で死んだのも、ピースの策略なのかと思ってた。


でも、実際は、ピースは全然頭が良くない。ヒロミとカズが事故に遭うことなんて想像もしてなかったし、カズの本当の姿も、ヒロミの精神状態もよめていない。

さらに、マスコミに出るようになってからは、人に簡単に不愉快オーラを感じさせちゃって、被害者の女の子をだませていた人当たりのよさもどこへやら。もっと恐ろしい位、頭がいい人が犯人の方が面白いのに。


なんか期待してたのと違いました・・・。


でも、まあ。私の個人的な期待はおいといて、「模倣犯」の面白さは十分伝わってきた。犯罪被害者の家族、加害者の家族ってのも、それぞれ辛いもんだなぁって感じた。加害者家族の高井由美子なんて、救いが無いよね。


あと、この話を読んでると、女っていうだけで殺されるっていう事実がねぇ・・・。怖かったな。ほんと、夜道には気をつけよう。何も悪いことしてなくても殺される場合もあるんだ、「そんなところ歩いてた方も悪い」なんて、自分は被害者にならないという安心が欲しいだけで、被害に遭った人を貶めるようなこと言わないようにしようって思いました。