バッテリーⅣ

あさのあつこ著「バッテリー」の４巻が文庫で出ましたね。文庫は年に１冊ペースなのでじれったいです。文庫版書下ろしとか無くてもいいからもっと早く出して欲しいな・・・。

３巻でいよいよこれから横手中との試合！といういいところで終わっていたのに、４巻は巧も豪もしょんぼり・・・。門脇との勝負には勝ったものの、他の打者にいいように打たれ、途中降板だったのです。

豪は、自分がこの先、巧の球を捕れなくなるのではないかという不安から、巧を避けるようになります。
そして、巧は考える考える・・・。どうして豪は自分とキャッチボールしてくれないのか？野球とは何なのか・・・？
こうやって、他者のことを考えることが巧の成長なんだろうと思う。うん、いいぞ、もっと悩め、という感じ（笑）

４巻は、豪と巧以外の脇役が魅力的で面白い。
特に横手の瑞垣に注目しています。彼は屈折してるよね〜。いつも「天才・門脇」の後ろに控えていた瑞垣。勿論野球は好きなんだろうけど、彼は「特別扱いされる門脇の次の人」でしかない自分が嫌で、結果、門脇も嫌で、野球も嫌だと思ってる。
でも、本当は野球好きなんだと思うな。
門脇も瑞垣もない、特別扱いなんてしない球を投げる巧に出会って、その勝負に挑みたいと思うところがいい。変に醒めてないところがいいですね。

あとは、吉貞。
笑えるキャラだけど、結構いいこと言うよね。「だいたい、原田はわがままなんじゃ。何もしゃべらんといて、わかれっていうのが無理なんじゃぞ。黙ってても気持ちは通じるなんて、全然だめ。」って、本質突いてるし。

４巻最後の方の、瑞垣と吉貞の掛け合い漫才みたいのが面白いな〜。

最後、青波のおかげで（？）巧が豪のミットにボールを投げることができてよかった。
これで、何か変わるかな？やっぱり、巧のキャッチャーは豪にやって欲しいから。