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- 作者: 佐藤多佳子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/10/25
- メディア: 単行本
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佐藤多佳子さんの本は前に読んで、とても読みやすいという印象だったので、この本にも手を出してみました。多分、前に読んだのは「しゃべれどもしゃべれども」だったかな?
高校生が陸上部で自分を鍛え、青春するぜっていうお話。この夏、北京オリンピックとかもあって、陸上は目にすることが多かったから、興味深く読めました。ただ走るだけ(しかもスプリンターだと、せいぜい400m)の競技にこれだけの準備をし、自分の身体を痛めつけ、一瞬にかけているのかということに感動しました。
主人公は不器用なんだけど、身体は丈夫で努力する性格。で、そのお兄さんが出てくるんだけど、運動神経天才的で(子どもの頃から、主人公もお兄さんもサッカーをやってる)Jリーグにスカウトされてプロ入りしたくらい。
ちょっとネタバレになるけど、そのお兄さんが怪我してしまうエピソードがあって、そこは主人公の心の痛みがすごく伝わって泣けました。
最後は、一番読者的に気になるレースの前夜で終わっており、結果が気になるところですが、勝っても負けても彼らはこれからも走り続けるんだろうな、ということが分かるから、かえって爽やかな読後感です。そこが、ちょっと《バッテリー》と違うかな〜。バッテリーのラストは気になっちゃって気になっちゃって・・・。