「さいごの戦い」

さいごの戦い―ナルニア国ものがたり〈7〉 (岩波少年文庫)

さいごの戦い―ナルニア国ものがたり〈7〉 (岩波少年文庫)

ナルニア国物語の最終巻です。


今回の話は、つらい部分が多くて読んでて凹むときがありました・・・。でも、最後のオチは決して暗くありません。そうくるかーって感じ。悲しいオチのようでいて、そうじゃない、みたいな。読者に希望を与えてくれる終わり方。


アスランの敵として、タシの神が出てくるのかと思ってたけど、本当の敵はタシじゃなかった。アスランへの信仰をなくした者は、たとえナルニアの民だったとしても救われない。逆に、タシを深く信じる者は敵国の民であっても救われる。
筆者は、キリスト教の影響を強く受けてるらしい(訳者の解説による。)けど、なるほどなーって思いました。
よく「信じる者は救われる」っていうけど、こういうことかぁ・・・みたいな。「信じない者は救ってくれないんだ、神様ってケチー」って思ってたけど、この物語の中では、アスランは小人達(信心を失くしている)を救おうとしているんだけど、その力が届かないのね。むしろ、アスランが与えた奇跡でかえって小人達は仲たがいをしてしまう。


救わないんじゃなくて、救えない。神様も絶対ではなく、できないこともあるんだなー。結局、「救ってもらおう」と待っているんじゃなくて、自分の心もちを清らかにして「もっと高く!もっと奥へ!」進んでいくことが大切なんだろうなー。