バレエ「くるみ割り人形」

熊川哲也の「くるみ割り人形」は演出が変わっているそうなので、もっと普通のも観てみたいなと思って新国立劇場に行ってきました。


結論から言うと、熊川演出の方が現代人好みというか、私は好きだな。


普通の演出は、お話としての「くるみ割り人形」じゃなくて、踊りとしての「くるみ割り人形」なのね。なので、主人公の女の子が人形の世界でめちゃくちゃ感謝されてるのか、とかは踊りだけだと分からない。だから、熊川さんは「鼠に呪いかけられた姫がいて・・・」とかストーリーをもたせてくれたんだと思う。
あらすじ重視で見るむきには、熊川バレエの方がいいんでしょうね。


でも、普通の演出も良かったよ。
くるみ割り人形が王子様になって、主人公と踊るところなんか凄く少女趣味で良い!
だって、自分(見ている人は主人公の女の子に感情移入してるはず)が助けた人形が王子様になって踊りを申し込んできたら、自分はお姫様!?とか思うじゃん普通は。
でも、熊川演出では、主人公ではなく別のお姫様が存在するわけで、ちょっとがっかりしますよあれは。


あと、夢オチのシーンは、熊川の方がいいな。起きたらお姫様の人形が枕元に増えていた!あれは夢ではなかった?という趣きがある。普通の方は、「はいはい夢でした。」みたいな感じで。別にいいんだけど、熊川を先に見ちゃうとちょっと物足りないかなー。