ラ・マンチャの男

ずっと更新さぼってたけど・・・書くことが無いわけじゃなかったの。ただ面倒くさくて・・・(ダメじゃん)


松本幸四郎主演のミュージカル「ラ・マンチャの男」を観に行きました。
帝国劇場、久しぶり〜。

いわゆる、「ドン・キホーテ」のお話なんだけど、ドン・キホーテの作者「セルバンテス」が劇中劇で「ドン・キホーテ」を演じるという設定。
セルバンテスは、宗教裁判にかけられるために牢獄に入れられるんだけど、その地下の牢獄と天井に上る階段のセットがなかなか良い雰囲気。重苦しい感じが出てて、階段が降りてくるとどきどきします。


ドン・キホーテ」というと、「風車を巨人?と間違えて突進しちゃう」とか「酒場女のアルドンサをドルシネア姫と間違える」とかエピソードをちょっと知ってるだけだったんだけど、他にもいろいろ知れて面白かった。ドン・キホーテの姪が、自分の保身のために叔父さんを心配しているとこなんかが印象的。


ドン・キホーテ」は、当時のスペインの形骸化された騎士道精神を皮肉ったもの、と聞いたことがある。で、劇の中で彼と敵対するのが、現実派の牢獄の先住者と、ドン・キホーテの姪の婚約者(心理学者らしい)。
先住者は、セルバンテスが宗教裁判にかけられそうになると「ドン・キホーテにでも助けてもらえ!」と現実にはありえない存在を馬鹿にするし、
婚約者は、ドン・キホーテに鏡を見せて「これが現実だ!」とショック療法?(結果、可哀想に廃人になっちゃうドン・キホーテ・・・)

つまり、「現実」こそが「理想」の敵だ、と。でもさー、いいじゃん、こんなおじいさんなんだし、夢の中で生きさせてやろうよ、現実がそんなに偉いのかよーって思っちゃう。実際、臨終の床にあるドン・キホーテを救ったのは、「現実」じゃなくて、理想のお姫様ドルシネアだったんだし。

ま、心理学が現実を見せるものだと解釈されてるとこは笑っちゃうけどね。私個人としては、心理学ってもうちょっとまやかしに近いものだと思ってるので。


演技はねぇ・・・松本幸四郎、独特の味がイイんだけど、ちょっと声が聞き取りにくいんだよねぇ。それに比べて、アルドンサ役の松たか子うまい!歌もいいし、酒場女の雑駁な中にも乙女心を秘めてる感じが出てました。

新聞、テレビなどで取り上げられ、結構話題になっていたので一度観たいと思っていた舞台だったし、ドン・キホーテについての理解も深まったので(ディスカウントストアじゃないんですよ!)満足でした。