バッテリー

バッテリー (角川文庫)
ついに(?)児童文学のカテゴリーを作っちゃった!
そのうちハリポタなんかも書こうと思います。


さて、あさのあつこさんの「バッテリー」です。

近年の児童文学の中では、大変なヒット作なので知ってる人も多いかも。
本屋さんで、子どもの本コーナーに行くと、どどどーんとシリーズが並んでいます。最近になって、角川文庫からも出たのですね。

これは、小学校卒業したばかりの野球少年(巧君といいます)が、中学に入学するまでに起こった出来事を書いた本です。

読み始めると、ものすごい引き込まれます。本を閉じられません。

巧は、ものすっごい頑固で、でも野球大好きで。野球のためなら、人間関係壊すのなんか平気なんですね。
でも、野球って本来、チームプレーでしょう?人間関係壊す奴なんて、向かないでしょう?・・・・それに気づいた巧が、丸い性格になっていく・・・・



なんて話じゃないんですよ!!

この話のすごいのは、主人公が野球大好きなくせに、ちっとも人間関係の大切さに目を向けないことです(笑)
それによって、周りの人たちが戸惑い・・・そして、周りが変わっていくのです。
あくまで、主人公はまっすぐで変わらず、周りの方が変わっていく、というのが面白いんですね。

普通、この手の成長ものって、主人公が揺れ動いたりするじゃないですか。そういうのがほとんど無くて。ものすごい大人っぽいんですよ。
人間関係に縛れられてる大人に、いっぱい読んで欲しい本です。



ただし、巧とバッテリーを組む、キャッチャーの豪くん。(巧は天才的な素質をもったピッチャーなのです。)彼は、唯一、巧を変容させることができると思う。この二人の関係が、どうなっていくのかも面白い。

それから、巧の弟、青波(せいは)という小4の子が可愛いのなんの♪

だまされたと思って、一度読んで欲しい、子ども向けとは言え、大人の読者の方がはまること請け合いです!